般若心経 入門 読経
それでは、大乗仏典は本当に非仏説で、仏教ではないのでしょうか。
「仏」、「仏陀」をインドの原語では「ブッダ」といいます。
ブッダというのは、「目覚めた」という意味で、「真実に目覚めた」人がブッダと呼ばれるのです。
ですから、ブッダは本来普通名詞なのです。お釈迦様はブッダの一人であり、そのほかにもたくさんの無名のブッダがいたとしてもおかしくないはずです。
大乗仏典はこうした無名のブッダがその時代その風土に合った説き方表現によって、お釈迦様が悟られたと同じ真実を説いたものですから、仏説であり、仏教であると考えてよいと思います。
つまり、無名のブッダたちは、自分たちはお釈迦様の悟られた真実と同じ真実に到達したのだという確信の上に立ち、「仏説」ということばを使ったのです。
また、原始仏典も、お釈迦様在世当時に文字として記録されたわけではなく、それはどんなに古く見積もっても紀元前五〇年よりも古いことではありません。
したがって、紀元前四、五世紀から紀元元年頃までは、教えは記憶によって伝承されてきたのです。
文字で記録されるようになってからも、数百年の間、書き直されたり、書き加えられたりして現在に伝わっている形になったのです。

