四国遍路と通夜堂
四国遍路において通夜堂とは、本来は寺院内で夜を徹して読経や真言を唱える修行をするための施設としてのお堂なのですが、四国八十八箇所においては霊場が巡礼者にたいして用意した簡易宿泊施設という位置づけで利用されています。宿坊とは違い寝るだけの最低限の設備しかありません。布団も基本的にはありません。昔は通夜堂を持つ霊場も多かったようですが、旅館などの宿泊施設が増えたことや、不心得な利用者などの問題により減少し、今では通夜堂を持つ霊場(小屋やガレージなどを一時的に利用しても良いとする霊場を含んでも)は四国遍路全体でかつての2割程度に減ってしまいました。
四国遍路 十夜ヶ橋(とやがばし、とよがばし)
四国遍路十夜ヶ橋とは、今の愛媛県大洲市付近で空海が一宿を求めたがどの家からも断られ、仕方なく橋の下で寝ることにしたのだそうです。寒さと旅人が杖で橋を突く音でまったく眠れず、一夜が十夜にも感じられた、という和歌が残っています。そのため巡礼者は橋の下には空海がいるかもしれないから橋をわたるときは杖を突いてはならないというならわしが出来たそうです。すぐそばに、国道に面して永徳寺(番外霊場)があり、多くの人がお参りしています。現在、その橋は「十夜ヶ橋」と呼ばれ国道56号の一部となり、交通量の多いコンクリート橋に変わってしまいましたが、橋の下で空海を偲びつつ野宿することができるということです。
四国遍路と地四国・島四国は違う
四国遍路のことを略して「お四国参り」あるいは「お四国」「お大師さん」と呼ぶことがありますが、四国の各地には民衆信仰としての地四国あるいは「ミニ四国」「新四国」と呼ばれるものがあります。また、瀬戸内の離島では島を四国に見立てて、四国遍路を再現した島四国も瀬戸内海を中心に存在しています。

